Asia-Pacific Region Intelligence Center
日米豪印首脳会合等 본문
令和4年5月24日、岸田総理は、総理大臣官邸でアメリカ合衆国のジョセフ・バイデン大統領、オーストラリア連邦のアンソニー・アルバニージー首相及びインドのナレンドラ・モディ首相と日米豪印首脳会合を行い、その後、共同声明を発出しました。続けて、日米豪印フェローシップ創設記念行事に出席しました。
次に、日米豪印首脳会合議長国記者会見を行い、その後、迎賓館赤坂離宮で、アルバニージー豪首相と会談し、続けて、モディ印首相と会談及び夕食会を行いました。
日米豪印首脳会合
5月24日、午前10時35分から約2時間、岸田文雄内閣総理大臣は、アンソニー・アルバニージー・オーストラリア連邦首相(The Honorable Anthony Albanese, MP, Prime Minister of the Commonwealth of Australia)、ナレンドラ・モディ・インド首相(H.E. Mr. Narendra Modi, Prime Minister of India)、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr., President of the United States of America)との間で日米豪印首脳会合を主催し、その後約1時間のワーキングランチを実施したところ、概要は以下のとおりです。また、今次会合の機会に、日米豪印首脳共同声明が発出されました。
1. 4か国の首脳は、昨年に引き続き、対面での日米豪印首脳会合が開催されたことを歓迎しました。また、ロシアによるウクライナ侵略という国際秩序の根幹を揺るがす事態が発生する中、4か国として、力による一方的な現状変更をいかなる地域においても、とりわけインド太平洋地域において、許してはならないこと、そして、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け引き続き強くコミットしていることを確認しました。
2. 4か国の首脳は、ウクライナ情勢がインド太平洋に及ぼす影響について率直に議論しました。4か国は、ウクライナでの悲惨な紛争について懸念を表明し、法の支配や主権及び領土一体性等の諸原則はいかなる地域でも守られなければならないことを確認しました。
3. 4か国の首脳は、「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンが、世界中の様々な地域で共鳴し、ASEANの「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」や、EUや欧州諸国のインド太平洋戦略など、各地で主体的取組が進んでいることを歓迎し、このビジョンの実現に向け、各国・地域との連携・協力を更に深めていくことで一致しました。また、ASEANの一体性・中心性とAOIPの実践的な実施への揺るぎない支持を改めて確認しました。
4. インド太平洋の情勢に関し、岸田総理大臣から、東シナ海・南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みへの深刻な懸念を表明しました。また、4か国の首脳は、東シナ海・南シナ海を含めた、ルールに基づく海洋秩序に対する挑戦に対抗するため、特に国連海洋法条約(UNCLOS)を始めとする国際法、航行及び上空飛行の自由を遵守することの重要性を確認しました。4か国の首脳は、係争のある地形の軍事化、海上保安機関の船舶及び「海上民兵」の危険な使用など、現状を変更し地域の緊張を高めようとするいかなる威圧的、挑発的または一方的な行動にも強く反対しました。また、岸田総理から、香港、新疆ウイグル、台湾に関する我が国の基本的立場を述べました。
5. 4か国の首脳は、国連安保理決議に違反し、不安定化をもたらす北朝鮮の弾道ミサイル開発を非難し、国連安保理決議に従った朝鮮半島の完全な非核化へのコミットメントを再確認しました。また、岸田総理大臣から、拉致問題の即時解決に向けた各国の理解と協力を求め、各国から支持を得ました。
6. ミャンマー情勢について、4か国の首脳は、現状への深刻な懸念を表明するとともに、暴力の停止、被拘束者の解放を呼びかけ、人道アクセス、民主的な体制の早期回復の必要性を確認しました。また、4か国の首脳は、ASEAN主導の取組に対する支持を再確認し、ASEAN議長特使の役割を歓迎するとともに、ASEANの「5つのコンセンサス」の早期実施を呼びかけました。
7. 4か国の首脳は、日米豪印は「善を推進する力」として、地域に具体的な利益をもたらすことにコミットしており、インド太平洋地域諸国が、新型コロナ、気候変動、インフラといった喫緊の課題に直面する中で、実践的協力を更に進め、地域をより強靱なものとすることの重要性で一致しました。
8. 新型コロナウイルスに関し、4か国の首脳は、日米豪印でインド太平洋地域を含む世界に6億7千万回分を超えるワクチンを供給してきたことやインド製ワクチンのタイ及びカンボジアへの引渡式典を4か国共同で実施したこと 等を歓迎しました。また、4か国の首脳は、より良い健康安全保障の構築及びUHCの達成に向けた取組を主導することを確認しました。
9. 4か国の首脳は、インド太平洋地域の生産性と繁栄の促進のために不可欠なインフラ協力を更に深化させるとのコミットメントを確認し、インド太平洋地域において、今後5年間で500億米ドル以上の更なる支援・投資を目指していくことを発表しました。また、地域諸国による能力構築支援の活用促進を目的としたポータルサイト(英文)の立ち上げを含め、債務問題に対処する必要のある国の能力強化に取り組むことで一致しました。
10. 気候変動に関し、4か国の首脳は、「日米豪印気候変動適応・緩和パッケージ(Q-CHAMP)(概要(PDF)別ウィンドウで開く/英文(PDF)別ウィンドウで開く)」 を立ち上げ、防災及び海運における支援拡大や、クリーンエネルギーの協力分野拡大で一致しました。
11. 重要・新興技術に関し、4カ国の首脳は、「重要技術サプライチェーンに関する原則の共通声明(和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く/英文(PDF)別ウィンドウで開く)」を発表したほか、当局間で「5Gサプライヤー多様化及びオープンRANに関する新たな協力覚書」に署名しました。
12. サイバーセキュリティに関し、4カ国の首脳は、「日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ(和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く/英文(PDF)別ウィンドウで開く)」を立ち上げ、この下で具体的な取組を進めていくことを確認しました。
13. 4か国の首脳は、「日米豪印フェローシップ 」の正式な創設を歓迎し、人的交流分野でも引き続き連携していくことで一致しました。なお、首脳会合に引き続き、フェローシッププログラムの創設を記念する行事が開催され、4か国の首脳が出席しました。
14. 宇宙分野に関し、4か国の首脳は、地域の気候変動対策や海洋資源の持続可能な利用等の課題への対応に貢献すべく、4か国の衛星データを提供する「日米豪印衛星データポータル(英文)」を開設することで一致しました。また宇宙の持続可能な利用のための規則・規範・原則等について協議し、共同のワークショップを通じて地域諸国への支援を行うことで一致しました。
15. 4か国の首脳は、地域諸国間で海洋状況把握(MDA)に関する情報共有を促進するための「MDAのためのインド太平洋パートナーシップ(IPMDA)」を歓迎し、地域諸国と協議を開始することで一致しました。
16. インド太平洋地域における災害に効果的に対応するための協力体制を更に強化するため、4か国は、「インド太平洋地域における日米豪印人道支援・災害救援パートナーシップ」の立ち上げを発表しました。
17. 4か国の首脳は、2023年に豪州で、次回日米豪印首脳会合を開催することで一致し、首脳間、外相間での定期的な会合の開催を含め、引き続き4か国で緊密に連携していくことを確認しました。
日米豪印首脳会合共同声明
本日、我々、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相、インドのナレンドラ・モディ首相、日本の岸田文雄首相、米国のジョー・バイデン大統領は、東京に集まり、包括的で強靭な、自由で開かれたインド太平洋への揺るがないコミットメントを新たにする。
1年と少し前、首脳は初めて顔を合わせた。深刻な世界規模での困難の時代に、4か国が地域に具体的な利益をもたらすことにコミットした善を推進する力であることを示すため、本日、東京において、我々は4回目、そして対面では2回目となる会合を開催する。最初の協力の年において、我々は前向きで実践的なアジェンダへの4か国の献身を表明した。2年目には、我々はこの約束を果たし、21世紀においてこの地域をより強靭なものにすることにコミットしている。
新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行が依然として世界中で人的及び経済的苦痛を与え、国家間で一方的な行動を取る傾向が呈され、ウクライナでの悲劇的な紛争が激しさを増す中、我々は揺るがない。我々は、自由、法の支配、民主的価値、主権及び領土一体性、武力による威嚇又は武力の行使や現状を変更しようとするいかなる一方的な試みに訴えることなく紛争を平和的に解決すること、航行及び上空飛行の自由といった、いずれもインド太平洋地域及び世界の平和、安定及び繁栄に不可欠である原則を強く支持する。我々は、地域内外でこれらの原則を促進するため、断固として共に行動し続ける。我々は、各国がいかなる形態によっても軍事、経済、及び政治的に威圧されることのない、国際的なルールに基づく秩序を支持するという我々の決意を再確認する。
平和と安定
我々は、ウクライナにおける紛争及び進行中の悲劇的な人道的危機に対するそれぞれの対応について議論し、そのインド太平洋への影響を評価した。4か国の首脳は、地域における平和と安定を維持するという我々の強い決意を改めて表明した。我々は、国際秩序の中心は国連憲章を含む国際法及び全ての国家の主権と領土一体性の尊重であることを明確に強調した。我々はまた、全ての国が、国際法に従って紛争の平和的解決を追求しなければならないことを強調した。
4か国は、自由で開かれたインド太平洋のビジョンを共有する地域のパートナーとの協力にコミットしている。我々は、ASEANの一体性と中心性、そして「インド太平洋に関するASEANアウトルック」の実践的な実施に対する揺るぎない支持を再確認する。我々は、2021年9月に発表された欧州連合のインド太平洋における協力のためのEU共同コミュニケーション及び欧州のインド太平洋地域への関与強化を歓迎する。我々は、東シナ海及び南シナ海におけるものを含む、ルールに基づく海洋秩序に対する挑戦に対抗するため、国際法(特に国連海洋法条約(UNCLOS)に反映されたもの)の遵守並びに航行及び上空飛行の自由の維持を擁護する。我々は、係争のある地形の軍事化、海上保安機関の船舶及び海上民兵の危険な使用、並びに他国の海上資源開発活動を妨害する試みなど、現状を変更し、地域の緊張を高めようとするあらゆる威圧的、挑発的又は一方的な行動に強く反対する。
我々は、太平洋島嶼国の経済状況を向上させ、健康インフラ及び環境強靭性を強化し、海上安全保障を改善するとともに漁業を維持し、持続可能なインフラを提供し、教育機会を強化し、この地域に特に深刻な課題をもたらす気候変動の影響を緩和させ、及び適応するため、個別に、及び集団的に、太平洋島嶼国との協力を更に強化する。我々は、太平洋島嶼国のパートナーのニーズに対応するために協力することにコミットする。我々は、太平洋諸島フォーラムの一体性及び太平洋の地域的安全保障枠組みへの支持を再確認した。
我々は、多国間システムの改革と強靭性向上のための共通の優先事項を強化する国連を含む多国間システムでの協力について、我々及びパートナーとの間で深化させる。個別に、及び共同して、我々は、この地域が包摂的で、開かれ、かつ、普遍的なルール及び規範で統治されることを確保しつつ、今日の課題に対応していく。
我々は、国連安保理決議に従った朝鮮半島の完全な非核化へのコミットメントを再確認し、また、日本人拉致問題の即時の解決の必要性を再確認する。我々はまた、国連安保理決議に違反した、不安定化をもたらす北朝鮮の複数の大陸間弾道ミサイル実験を含む弾道ミサイル開発及び発射を非難し、国際社会に対し、これらの決議を完全に履行するよう求める。我々は、北朝鮮に対し、国連安保理決議の下での全ての義務に従い、挑発行為を控えるとともに、実質的な対話に取り組むよう求める。
我々は、深刻な人道的苦痛を引き起こし、地域の安定に課題をもたらしたミャンマーの危機を引き続き深く懸念する。我々は、ミャンマーにおける暴力の即時停止、外国人を含む全ての政治的被拘束者の解放、建設的な対話への関与、人道アクセス、及び民主主義の早期回復を引き続き求める。我々は、ミャンマーにおける解決策を模索するASEAN主導の取組に対する支持を再確認し、ASEAN議長特使の役割を歓迎する。我々はさらに、ASEANの5つのコンセンサスの早期実施を求める。
我々は、あらゆる形態及び主張によるテロと暴力的過激主義を明確に非難し、いかなる理由であれ、テロ行為を正当化することはできないことを改めて表明する。我々は、テロリストの代理人の利用を非難し、国境を越える攻撃を含むテロ攻撃を開始又は計画するために使用され得るいかなる後方的、財政的、軍事的なテロ組織への支援も否定することの重要性を強調する。我々は、11月26日のムンバイ及びパタンコート襲撃を含むテロ攻撃を改めて非難する。また、我々は、アフガニスタンの領域がいかなる国への脅迫若しくは攻撃、テロリストの保護若しくは訓練、又はテロ行為の計画若しくは財政的支援に使用されることが二度と無いよう要請する国連安保理決議第2593号を再確認する。我々は、全ての国が、FATF(金融活動作業部会)勧告に従い、資金洗浄対策についての国際基準を遵守し、テロリズムへの資金提供と戦うことの重要性を強調する。我々は、世界的なテロとの戦いにおいて、安保理決議第1267号に従って指定された個人及び団体を含む全てのテロ組織に対して協調した行動をとることを再確認する。
新型コロナウイルス感染症と世界健康安全保障
2年以上にわたり、世界は新型コロナウイルス感染症の壊滅的な影響、すなわち地域社会、市民、医療従事者及び保健システム並びに経済への影響と闘ってきた。日米豪印は、より良い健康安全保障の構築と保健システムの強化を視野に、新型コロナウイルス感染症への対応のための国際的な取組を主導してきており、今後も主導していく。我々は、新たな変異株に備え、ワクチン、検査、治療、その他の医療物資を最もリスクの高い人々に届けることに重点を置き、ウイルスに先んじるために我々の集団的対策を講じることにコミットする。
現在までに、日米豪印はCOVAXファシリティの途上国向け枠組み(AMC)に合計約52億米ドルのプレッジを表明しており、これはドナー国政府によるプレッジ総額の約40%にあたる。我々は、インド太平洋への少なくとも2億6500万回分の供与を含め、6億7000万回分以上のワクチンを現物供与してきたことを誇りに思う。新型コロナワクチンの世界的な供給が大幅に拡大したことを踏まえ、我々は、安全で、有効で、入手可能な価格であり、品質が保証された新型コロナウイルスのワクチンを、必要とされる時に必要な場所へ提供し続けていく。
我々は、日米豪印ワクチンパートナーシップの下、インドのバイオロジカルE社におけるジョンソン・エンド・ジョンソン社製のワクチンの生産拡大が進展していることを歓迎する。持続可能な製造能力は、新型コロナウイルス感染症や将来のパンデミックとの闘いにおいて長期的な利益をもたらす。この点、我々は、前述のインドにおけるワクチンに関するWHO緊急使用リスト(EUL)承認を楽しみにしている。我々は、日米豪印による、WHOに承認されたインド産ワクチンのカンボジア及びタイへの供与を、日米豪印のその他のワクチン関連支援とともに、我々の協力の具体的な成果の一例として祝福する。
我々は、新型コロナウイルス感染症への対応と将来の健康危機に対する備えの両方に、引き続き取り組んでいく。我々は、世界115か国以上で20億ドル以上の規模で展開されているラスト・マイル支援を通じてワクチン接種を加速し、また今週、世界保健総会において開催される4か国合同のイベントを通じてワクチン忌避にも対処していく。我々は、新型コロナウイルス感染症に関する「グローバル行動計画:COVID-19 Pandemic Prioritized Global Action Plan for Enhanced Engagement(GAP)」やCOVAXワクチン・デリバリー・パートナーシップなどを通じて、我々の取組を連携させていく。我々は、米国が共催し、日米豪印も参加した第2回「新型コロナ・サミット」が、32億ドルの資金と政策的コミットメントを集め、成功したことを歓迎する。我々は、インド太平洋地域における経済社会再活性化のための支援を強化する。
長期的には、我々は、財務及び保健の連携を促進すること及び現在進行中の臨床試験及びゲノム・サーベイランス等を通じた科学技術協力を強化することを含め、より良い健康安全保障を構築するために、グローバルヘルス・アーキテクチャー及びパンデミックへの予防・備え・対応(PPR)を強化する。既存の日米豪印の協力関係を基礎として、我々は、パンデミックに発展する潜在性を有する新規及び新興の病原体の早期発見及びモニタリング能力を向上させ、エピデミック及びパンデミックに対する強靱性を高めるよう取り組む。感染症を予防し及び封じ込めるための新しいワクチンの開発のために、日米豪印は、CEPI(感染症流行対策イノベーション連合)の次期増資期間に対し、合計で約5億2400万ドルをコミットしており、これは公的ドナーによる拠出総額の約50%を占める。
我々は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)フレンズ・グループのメンバーとして、2023年に開催される国連総会UHCハイレベル会合に向けて、PPRの強化及びUHCの推進のため、グローバルヘルス・アーキテクチャーの更なる強化及び改革にあたり国際的なリーダーシップを発揮することにコミットする。
インフラ
我々は、インド太平洋地域の生産性及び繁栄を促進するために不可欠なインフラに関する協力を深化させるとの共通のコミットメントを再確認した。我々は、また、多くの国々でパンデミックにより悪化した債務問題に対処することへのコミットメントを共有する。
日米豪印は、地域へのインフラの供給を促進するため、数十年にわたる技術と経験を結集する。我々は、資金ギャップを橋渡しする公的及び民間投資を動員するため、パートナー及び地域と共に緊密に取り組むことにコミットする。これを達成するため、日米豪印は、次の5年間に、インド太平洋地域において500億米ドル以上のインフラ支援及び投資を行うことを目指す。
我々は、G20の「共通枠組」の下で、また、複数の二国間及び多数国間の能力構築支援から成る「クアッド債務管理リソースポータル(英文)」を通じたものを含め、関係する国々の財務当局と緊密に連携して債務の持続可能性及び透明性を促進することにより、債務問題に対処する必要がある国々の能力強化に取り組んでいく。
我々は、また、日米豪印首脳会合のマージンでの4か国の開発金融機関の会合を歓迎する。我々は、インド太平洋地域のより良い連結のため、我々の手段と専門性を結び付けるべく、専門家及び地域と共に、並びに相互に緊密に連携している。
我々は、地域における持続可能で包摂的な成長に貢献するため、「インド太平洋に関するASEANアウトルック」を含め、地域の優先事項を反映した、地域・デジタル連結性、クリーンエネルギー及びエネルギー関連施設における災害強靱性を含む気候変動に対する強靱性といった特定分野における協力を更に深め、相互補完的な行動を追求していく。
気候
IPCCの最新の報告書で強調されているように、気候変動への対処が緊急に必要であることを認識し、我々は、パリ協定を着実に実施し、COP26の成果を実現していく。そのために、インド太平洋地域における重要なステークホルダーに働きかけるとともに、官民の気候資金の動員や、研究、開発、及び革新的技術の展開の促進を通じてなど、地域のパートナーによる気候行動を支援し、強化し、推進することを含め、国際的な野心を高める取組を加速させる。
本日、我々は、緩和と適応の2つをテーマとする、「日米豪印気候変動適応・緩和パッケージ(Q-CHAMP)(概要(PDF)別ウィンドウで開く/英文(PDF)別ウィンドウで開く)」を立ち上げる。Q-CHAMPは、日米豪印気候作業部会の下で、現在進行している以下の活動を含む。すなわち、日米豪印各国の意見を基にして共通のグリーン回廊の枠組みを目指すグリーンな海運・港湾、クリーン水素及び天然ガス部門におけるメタン排出に関するクリーンエネルギー協力、シドニー・エネルギー・フォーラムへの貢献と、クリーンエネルギー・サプライチェーンの強化、太平洋島嶼国との連携戦略策定に向けた気候・情報サービス、災害に強靭なインフラのためのコアリション(CDRI)を通じた取組など災害と気候変動に強靭なインフラを含む防災である。また、Q-CHAMPの範囲には、クリーン燃料アンモニア、CCUS/カーボンリサイクル、パリ協定第6条に基づく高い十全性のある炭素市場を推進するための協力と能力構築支援、気候に優しい農業、地方自治体の気候行動に関する知見共有、生態系を活用した適応策など、新たな協力も含まれる。Q-CHAMPを具体化するため、我々は4か国間及びインド太平洋地域の気候行動を支援するにあたり、我々のプログラムを拡大していくことにコミットする。我々は、気候変動が太平洋島嶼国にもたらす甚大な課題を認識する。
我々は、豪州の新政権による2050年までにネット・ゼロを達成するための法案の可決、新規の野心的な国が決定する貢献の提出を通じたものを含む、気候変動に関するより強力な行動へのコミットメントを歓迎する。
サイバーセキュリティ
高度なサイバー脅威が存在し、ますますデジタル化する世界において、我々は、サイバーセキュリティを強化するために共同のアプローチをとることが急務であることを認識する。自由で開かれたインド太平洋という日米豪印のリーダーのビジョンを実現するために、我々は、脅威情報の共有を通じて各国の重要インフラ防護を強化すること、デジタル対応の製品・サービスのサプライチェーンにおける潜在的リスクを特定・評価すること、及びソフトウェア開発エコシステム全体を強化して全てのユーザーが便益を感じられるよう我々の共同の購買力を活かして政府調達における基本的なソフトウェアセキュリティ基準を整合させることにコミットする。日米豪印パートナーは、日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ(和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く/英文(PDF)別ウィンドウで開く)の下、インド太平洋地域における能力構築プログラムについて協調し、日米豪印各国、インド太平洋地域及びそれ以外の地域の一人一人のインターネットユーザーがサイバー脅威からより防御できるよう、初めて日米豪印サイバーセキュリティ・デイを開始する予定である。
重要・新興技術
日米豪印は、地域の繁栄及び安全保障を強化するため、重要・新興技術を活用することに引き続き注力する。我々は、5G及びビヨンド5Gの分野において、電気通信サプライヤーの多様性に関するプラハ提案を歓迎しつつ、5Gサプライヤー多様化及びオープンRANに関する新たな協力覚書の署名を通じ、相互運用性及び安全性を推進していく。我々は、また、オープンRANトラック1.5イベントを通じたものを含め、産業界との関与を深めており、地域におけるオープンで安全な電気通信技術の実装に関して協働する方法を探求している。
我々は、グローバルな半導体サプライチェーンにおける日米豪印の能力及び脆弱性をマッピングし、多様で競争力のある半導体市場を実現するため、我々の補完的な強みを一層活用することを決定した。この日米豪印首脳会合の機会に発表した、重要技術サプライチェーンに関する原則の共通声明(和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く/英文(PDF)別ウィンドウで開く)は、地域への様々なリスクに対する我々の強靱性を向上させるための協力基盤を提供し、半導体及びその他の重要技術に関する我々の協力を推進するものである。国際電気通信連合の電気通信標準化部門といった国際標準化機関における我々の協力は、大きな進展を見せており、我々は、新たな国際標準協力ネットワーク(ISCN)を通じ、このような協力を強化することを期待する。この協力は、地域における技術開発が、我々の共有する民主的な価値に導かれることを確保することに資するものである。我々は、バイオ技術に関するこれまでの深まった議論に続き、マッピング及びそれに対応するトラック1.5の取組を通じ、また、将来的には量子技術にも焦点を当て、技術動向調査における協力を引き続き強化する。我々は、重要・新興技術のための資本を拡充するため、産業界のパートナーとのネットワーク構築のためのフォーラムを開催する。
日米豪印フェローシップ
我々は、人と人との結びつきが日米豪印の礎(いしずえ)であることを認識し、現在応募受付を行っている日米豪印フェローシップの正式な創設を歓迎する。日米豪印フェローシップは、毎年、日米豪印各国の学生100名が米国におけるSTEM分野の大学院の学位取得を目指すためのもので、シュミット財団によって運営される。日米豪印フェロー第一期生は2023年第3四半期に学業を開始する予定であり、我々は、最先端の研究とイノベーションにおいて我々4か国を牽引することになるSTEM分野の才能ある次世代の人材を共に育成することを楽しみにしている。
宇宙
宇宙関連のアプリケーション及びテクノロジーもまた、気候変動、防災及び災害対応並びに海洋及び海洋資源の持続可能な利用といった共通の課題への対応に貢献可能である。日米豪印パートナーそれぞれは、地球観測衛星データ及びアプリケーションへの公共アクセス向上に努める。我々は、地球観測に基づいたモニタリング及び持続可能な発展枠組みを作るために協働する。我々は、我々の各国の衛星データ資源へのリンクを集めた「日米豪印衛星データポータル(英文)」を提供するとともに、宇宙からの民間地球観測データの共有に努める。我々は、地球観測分野におけるものを含む宇宙アプリケーションの開発のために協働し、地域諸国に対し、豪雨に対応するための宇宙能力の活用に係る提携に関するものを含む能力構築支援を提供する。我々はまた、宇宙の持続可能な利用のための規則、規範、ガイドライン及び原則について協議し、国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)の宇宙活動の長期持続可能性ガイドラインに関連して行うものを含む共同ワークショップを通じて、地域諸国に対する支援を提供する。
海洋状況把握及び人道支援・災害救援
我々は、地域のパートナーと協働し、人道及び自然災害に対応し、違法漁業と戦うために設計された、新しい海洋状況把握イニシアティブである「海洋状況把握のためのインド太平洋パートナーシップ(IPMDA)」を歓迎する。IPMDAは、技術と訓練を提供することで、我々の海や海洋の安定及び繁栄を促進すべく強化・共有化された海洋状況把握を支援するため、インド太平洋諸国及びインド洋、東南アジア、及び太平洋諸島の地域情報融合センターを支援し、これらと協議しながら取り組んでいく。IPMDAは、日米豪印が掲げる「地域をより安定させ繁栄させるために役立つ具体的な成果に向けた我々の共同の努力の促進」を体現している。
2022年3月3日の首脳テレビ会議でのコミットメントを具現化するため、本日、我々は「インド太平洋地域における日米豪印HADR(人道支援・災害救援)パートナーシップ」の立ち上げを発表する。本パートナーシップはインド太平洋地域における災害に効果的に対応するための協力体制を更に強化するものである。
結語
本日、自由で開かれたインド太平洋に対する共通のビジョンを持って、我々は再び基本的な価値及び原則の重要性を強調し、地域に具体的な結果をもたらすためにたゆまぬ努力をすることにコミットする。その中で、我々は、首脳級及び外相級による定例会合を含め、4か国の活動を定例化する。我々は、次回の対面での首脳会合を、2023年に豪州の主催により開催することで一致する。
日豪首脳会談
5月24日、午後4時46分から約75分間、岸田文雄内閣総理大臣は、来日中のアンソニー・アルバニージー・オーストラリア連邦首相(The Hon. Anthony Albanese, MP, Prime Minister of the Commonwealth of Australia)と日豪首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。なお、首脳会談の最初約20分間は両首脳だけで会談が行われました。
- 冒頭、岸田総理大臣から、アルバニージー首相の就任を心から祝福する旨述べ、同首相の就任直後の訪日に謝意を表明するとともに、アルバニージー首相と個人的関係を築いていきたい旨述べました。
- 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす事態との認識の下、これを厳しく非難し、インド太平洋で同じようなことを決して起こさせてはならないという点で一致しました。両首脳は、インド太平洋地域の安全保障環境が一層厳しくなる中で、日豪両国の「特別な戦略的パートナーシップ」を一層強化し、同盟国・同志国と共に「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を進めていくことで一致しました。
- 両首脳は、引き続き、(1)安全保障・防衛分野と経済分野の協力の深化、(2)インド太平洋地域の平和と繁栄に貢献するための日米豪印を含む同盟国・同志国との更なる連携、(3)気候変動等のグローバルな課題についての協力の三つの柱を基礎として、日豪が緊密に連携していくことを確認しました。
- (1)この中で、両首脳は、本年1月に署名した日豪円滑化協定の早期発効に向けて取り組むとともに、日豪の安全保障協力を深化させる新たな安全保障協力に関する首脳宣言の発出に向けた調整を進めていくことを確認しました。両首脳は、経済的威圧への対応において連携していくことを確認しました。また、両首脳は、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)について、戦略的な観点も踏まえて率直な議論を行い、同協定のハイスタンダードの維持等について緊密に連携していくことを確認するとともに、米国のTPP復帰に向け両国で協力することで一致しました。さらに、両首脳は、前日立ち上げられたインド太平洋地域経済枠組み(IPEF)を通じ、インド太平洋地域の持続的で包摂的な成長の実現に向けて協力していくことで一致しました。
- (2)両首脳は、日米豪印、日米豪を含む同盟国・同志国のネットワーク強化の重要性につき一致するとともに、岸田総理からAUKUSに対する日本の支持を改めて表明しました。また、両首脳は、太平洋島嶼国地域においても他の同志国と共に日豪両国が連携を深めていくことを確認し、その中で、中国とソロモン諸島との間の安全保障協力に関する協定についての懸念を共有し、引き続き関係国で緊密に連携していくことを確認しました。
- (3)両首脳は、水素・アンモニアといったカーボンニュートラルに向けた取組、エネルギー・サプライチェーンの強化等のエネルギー分野における日豪協力を進めていくことを確認しました。また、両首脳は、核兵器のない世界の実現に向けた取組や国連安保理改革において協力していくことで一致しました。
日印首脳会談
5月24日、岸田文雄内閣総理大臣は、日米豪印首脳会合出席のために訪日中のナレンドラ・モディ・インド首相(H.E. Mr. Narendra Modi, Prime Minister of India)との間で、迎賓館において、午後6時20分から約70分間、首脳会談を、また、午後7時44分から約50分間、夕食会を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1 冒頭
- (1)岸田総理大臣から、3月の訪印時のモディ首相からの温かいおもてなしに謝意を表した上で、日印国交樹立70周年の節目に双方の往来が実現したことは強固な日印関係の証である旨述べました。また、岸田総理大臣から、日米豪印首脳会合で、法の支配の重要性や力による一方的な現状変更への強い反対のメッセージを発出できたことを心強く思う旨述べました。
- (2)これに対し、モディ首相から、今回の岸田総理のおもてなしに謝意を表した上で、3月の岸田総理訪印は日印関係を加速化させる画期的なものであった、本年国交樹立70周年を迎えた日印両国は自然なパートナーであり、コロナ後の世界において、価値を共有する両国間のパートナーシップは最も重要となる旨述べました。また、モディ首相から、日米豪印4か国の協力枠組みは、自由で開かれ、包摂的でルールに基づくインド太平洋のビジョンにとって非常に重要であり、今回日本が主催した日米豪印首脳会合の成功を喜ばしく思う旨述べました。
2 「自由で開かれたインド太平洋」
- (1)両首脳は、厳しい国際情勢の中、こうした状況だからこそ、同志国間で緊密に連携し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を一層推進していくことが重要との認識で一致しました。
- (2)両首脳は、今回の日米豪印首脳会合の成果を踏まえ、様々な分野での実践的な協力を着実に進めて地域諸国に具体的な実益を届けていくことで一致しました。かかる観点から、日米豪印ワクチン・パートナーシップの取組の成果として、JBICとインド輸出入銀行との間で総額1億ドルの融資契約が調印されたことを歓迎しました。
- (3)両首脳は、インド太平洋経済枠組み(IPEF)を、地域に実体的な利益をもたらす包摂的な枠組みとするべく共に取り組んでいくことで一致しました。
- (4)両首脳は、スリランカ情勢について議論し、現下の経済危機及びそれに伴う人道状況の悪化を踏まえ、連携していくことを確認しました。
3 二国間関係
- (1)両首脳は、二国間関係につき幅広く議論し、3月のデリーでの日印首脳会談の成果を基礎に、引き続き、「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップ」を発展させていくことを確認しました。また、両首脳は、二国間の年次相互訪問としてのモディ首相の訪日を、双方の都合のよい時期に実現すべく、調整を行っていくことで一致しました。
- (2)両首脳は、日米豪印4か国が参加する共同訓練「マラバール」の実施、ACSAの活用を含む共同訓練、ハイレベル交流といった防衛協力が活発化していることを歓迎し、初の戦闘機共同訓練の早期実施に向けて調整していくことで一致しました。また、防衛装備・技術協力を始めとする安全保障面での協力推進も念頭に、第2回日印外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を早期に開催することを確認しました。
- (3)両首脳は、3月の岸田総理大臣訪印に際して、今後5年間で官民合わせて対印投融資5兆円目標を掲げたことを踏まえ、日本企業による積極的な投資を促していくことを確認するとともに、そのためにもインド側において日本企業の円滑な活動のための更なる環境整備を進めていくことが重要であるとの認識で一致しました。また、「産業競争力パートナーシップ」等を通じたサプライチェーンの多元化・強靭化に向けた協力や、安全で信頼性のある通信ネットワークの構築に向けた協力等、経済安全保障上の共通の課題への取組を一層強化していくことを確認しました。
- (4)両首脳は、世界全体でのカーボン・ニュートラルの実現とエネルギー安全保障の確保に向け、3月の岸田総理訪印時に発表した「クリーン・エネルギー・パートナーシップ」を推進し、「日印エネルギー対話」等を通じて、水素、アンモニア、LNGといった分野で具体的な協力を進めていくことで一致しました。また、両首脳は、日印間の二国間クレジット制度(JCM)構築に向けて、協議を継続していくことを確認しました。さらに、両首脳は、今般、インドが推進する「太陽に関する国際的な同盟(ISA)」と日本政府・関係機関との間での協力覚書に署名がなされたことを歓迎しました。
- (5)両首脳は、今般、高速鉄道第3期円借款の署名が行われたことを歓迎し、引き続き、日印の旗艦プロジェクトである高速鉄道事業を着実に進展させていくことを確認しました。
- (6)両首脳は、日印国交樹立70周年における双方の往来を踏まえ、人的交流・文化交流を進めていくことで一致しました。
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