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14党乱立…有権者困惑「政策の違い分からない」 본문
現行の選挙制度になった平成8年以降、最多の14党が入り乱れる見通しとなった今回の衆院選。とりわけ「第三極」の座を狙って乱立した各新党は、既成政党の批判票の取り込みに躍起だ。だが、街頭で有権者に支持政党をたずねると、「政策の違いが分からない」と戸惑いの声があがる。
1.「ぼやけた感じ」
「政党の数が多いし、主張する内容の違いも分からない」。広島県呉市の会社員、武田正和さん(56)は、多数の政党が乱立する現状に首をかしげる。
主な争点はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加や原発政策などの是非とされるが、「容認」や「反対」としていても、政党ごとに細かい条件を付けていることが多い。このため政策の違いを理解するだけでも困難という。
武田さんは「白か黒かだけで判断を迫られている。もっと順序や理屈を立てて丁寧に説明してくれないと理解できない」と不満を漏らす。
政党数の多さだけではない。民主離党組を中心とする新党が多いため、党によっては主な政策が似通っていることも有権者を悩ませている。
投票先が決まらないという大阪府和泉市の塾経営、松本敦子さん(57)は「正直、(各党が)訴えている内容を理解しきれていないが、ぼやけた感じがして結局は一緒に見えてしまう」と話す。
2. 第三極の座狙い
今回の衆院選では、日本維新の会などの「第三極」が一つの「キーワード」となっている。ただ、民主党と自民党という二大政党への批判票の受け皿としては、「実力不足」との指摘も少なくない。
東京都新宿区の大学4年、西尾洋祐さん(23)は「自民や民主にできなかったことが第三極にできるとは思わない」と懐疑的。「脱官僚」を掲げる新党が多いため、西尾さんは「脱官僚もいいけど素人の議員ばかりなのだから、官僚をうまく使わないとやりたいこともできないと思う」と語った。既成政党を全面的に信頼しているわけでもなく、投票先を決め切れていないという。
さまざまな政党や主張が入り乱れる中、「結局は人で選ぶしかない」と話すのは横浜市鶴見区の大学4年の女子学生(22)だ。 脱原発の視点から支持する候補者を決めるつもりだが、「グループ(政党)になると、個人の理想はつぶされがち」と、より信頼できる候補者を精査して判断するといい、「考え方が近い人に当たれたら、ラッキーという感じ」と話した。
新党が乱立している状況について、慶応大法学部の小林良彰客員教授(57)=政治学=は「小選挙区制は多くの『死に票』が発生するため、二大政党だけでは多様な批判票を拾いきれず、有権者がもっと違う選択肢を求めるようになる」と背景を指摘。一方で「政策で政党をつくるのではなく、自分たちが生き残れるかどうかで動いているのも乱立の原因だ」と候補者側の動きを批判した。
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