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中国「統一」へ虎視眈々、和平協定も視野に 본문
中国共産党中央台湾工作弁公室と国務院(政府)台湾事務弁公室は14日、台湾の与党・中国国民党の馬英九氏の総統選での勝利について「両岸(中台)関係の平和的発展は正しい道。広範な台湾同胞の支持を得た」とする報道官談話を発表した。国営新華社通信が伝えた。
選挙結果に安堵(あんど)した中国は、政治経済面で台湾に一段と攻勢を強め、政治対話の枠組み作りを働きかけるとみられる。中台関係に注がれる国際社会の関心は一段と高まりそうだ。
2008年の国民党による政権奪回後、中国はFTA(自由貿易協定)にあたるECFA(経済協力枠組み協定)を結ぶなど、台湾との経済関係を拡大してきた。その次のステップとして専門家はECFA交渉の拡大に加えて、「和平協議に向けた段階に入る」(上海国際問題研究院の厳安林研究員)と予想している。
実際、2期目の信任を得た馬政権は、中国が求める「先経後政」(先に経済関係を、その後に政治関係)との戦略に向き合っていかねばならない。和平協定の協議がそのまま「統一交渉」を意味しないが、中国が悲願の台湾統一に向けて虎(こ)視(し)眈(たん)々(たん)と練った戦略の始動は、時間の問題だ。
その背景には中国の“お家の事情”もある。国民党政権2期目の4年間に、台湾との政治対話で成果を挙げなければ、共産党内部や人民解放軍の突き上げが起きる懸念もあるからだ
中国の外交筋は、「今年秋の共産党大会で指導部が交代する夏までに、胡錦濤氏が党総書記の立場で国民党主席の馬氏と会談を行おうとする可能性もある」と話している。
しかも党大会で胡氏の後任に就く見通しの習近平国家副主席は、台湾との交流最前線にある福建、浙江の両省で長く働いた「台湾通」だけに注目される。
だが、台湾側も当然、一方的な結果は望まない。
強烈な中国の磁場に吸い込まれるとの危機感を背景に、台湾の有権者は国民党がもつ「対中交渉力」に懸けたとも受け取れる。歴史的経緯から、共産党の脅威も弱点も知り尽くした上で交渉にあたれるのは、国民党しかないとの判断だ。
中国に経済的、軍事的に追い込まれつつある台湾人にとって選択肢は少なかった。中国の「台湾統一」への野望に対峙(たいじ)する2期目の馬政権がどのような政策と交渉を行うのか注視される。
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