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일본 하토야마 수상, 아시아의 민주화에 한층 더 지원하겠다고 본문

Guide Ear&Bird's Eye/일본

일본 하토야마 수상, 아시아의 민주화에 한층 더 지원하겠다고

CIA Bear 허관(許灌) 2009. 12. 10. 21:33

 

 인도네시아에서 열리고 있는 '발리 민주주의 포럼'에서 하토야마 일본수상은 아시아의 민주화를 촉진함으로서 자신들이 제창하는 동아시아공동체구상도 실현될 것이라며 아시아 지역의 민주화 촉진에 일본이 한층 더 지원하겠다는 자세를 나타냈습니다.

포럼의 공동의장을 맡고 있는 하토야마 수상과 유도요노 인도네시아 대통령은 오늘, 전체회의를 마친 뒤 공동기자회견을 가졌습니다.

회견에서 하토야마 수상은 이번 포럼과 같은 논의를 통해 아시아의 민주화가 촉진되고 결과적으로 경제적인 교류와 방재, 환경 등의 협력이 이루어지면 동아시아 공동체 구상도 진전을 보게 된다며, 공동체구상 실현을 위해 일본이 아시아 지역의 민주화 촉진에 한층 더 지원하겠다고 밝혔습니다.

이에 대해 유도요노 대통령은 동아시아공동체라는 구상이 아세안과 에이팩 등 기존의 지역협력과 비교해 참가국에게 어떠한 이익을 가져다 줄 것인지 전향적으로 논의하고 싶다고 말했습니다.

또한 하토야마 수상은 아시아의 민주화를 촉진하는 수단으로써 포럼의 참가국들이 서로 선거를 시찰하고 배우는 프로젝트를 실시하자고 제창했습니다.

'발리 민주주의 포럼'은 동아시아에서 중동까지 38개국에서 정상과 각료 등이 참석한 가운데 내일까지 진행됩니다.

 


 

バリ民主主義フォーラム(BDF)(総理発言日本語骨子)


平成21年12月10日


1.冒頭

 (ユドヨノ大統領他への呼びかけ)
ユドヨノ・インドネシア共和国大統領閣下のアレンジともてなしについて、深甚なる謝意を表明。多くの国からの参加を歓迎。ユドヨノ大統領のイニシャチブを高く評価。

2.日本の基本的立場

(1)バリ民主主義フォーラム(BDF)の意義
バリ民主主義フォーラムは、アジア諸国の自発的取組によって民主主義を促進しようとする政府間対話の枠組みとして重要。民主主義や人権などの普遍的価値を重視する日本は、この枠組みを重視し、その取組に積極的に貢献していく。その一環として、BDF傘下の平和民主主義研究所の活動を歓迎し、人的貢献や知的貢献を積極的に行っていく。
(2)民主主義と開発
BDFは民主主義と開発の関係に焦点を当てようとしており、日本としてそうした姿勢を支持。今回の会議では、「アジアでの民主主義と開発の相乗効果の促進」をテーマに掲げており、日本としてその経験を踏まえて積極的に貢献したい。
開発を通じて、所得が向上し、教育を受ける機会が与えられ、さらには独立したメディアが育まれることで、成熟した市民社会が確立され、民主主義が育つ。特に、教育については、すべての意志ある人が質の高い教育を受けられるような社会を築くことが重要です。そのような社会では、政府の腐敗や政策決定の不透明さは是正され、良い統治が実現される。それはまた、さらなる経済成長を促す効果を持つ。
(3)民主主義と安全保障
国家と地域の平和と安全が確保され、それに加えて日本が推進してきた「人間の安全保障」の視点が重視される社会を目指すことが、民主主義の定着にとって重要。
そもそも民主主義とは、言論で対立を解消し、紛争を回避することを可能にする理念。他方、民主化が進む社会においても、宗教対立や少数民族問題が顕在化し、紛争にまで発展することもある。国民統合を図る政治システムとしての民主主義を実現していく上で、宗教、民族、言語などでの多様性を尊重する視点も不可欠。この視点は我々が進める地域統合にも当てはまる。
私の提唱する「友愛」の精神は、何よりも人の命が大切にされる中で、個人が「自立」し、多様性が尊重され、人々が尊厳ある生活の中で「共生」する社会を目指すもの。行き過ぎたナショナリズムに陥らず、平和で豊かな地域として発展することを、我々は目指すべき。

3.アジアの民主化の流れ

(1)基本認識、日本の民主主義
アジアは、経済成長と市民社会の形成を実現しながら、それぞれの事情に応じて独自の道で、民主主義体制へと変化を遂げてきた。日本は、戦後、平和に徹し、経済発展と国民生活の向上に努め、民主主義を定着させ、今日の繁栄を実現した。この流れを、我々は誇りに思って良い。日本の新政権は、こうしたアジアの民主化の流れを、地域の諸国と力を合わせて後押ししていく。
本年は、世界最大級の民主主義国家であるインドやインドネシアなどで重要な選挙が行われた。
日本でも歴史的な選挙の結果、政権交代が実現した。日本の長い民主主義の中で、実現できなかった当たり前のことが、今回ようやく実現した。そして、更なる民主主義の深化に取り組んでいる。例えば、厳しい財政状況の中、専門家が行う予算の無駄を仕分けする作業に市民やメディアを招待することにより「ガラス張り」の画期的なプロセスの下で予算編成を行っているところである。
(2)インドネシアの民主主義
ここインドネシアでは、経済開発と民主化が共に進展を見せてきた。インドネシアは、驚くほど多様な民族、言語、文化、宗教から成り立っているが、そのような中でも着実に民主主義を確立してきた。こうした経験は、アジアに止まらず、世界の国々にとって一つのロールモデル(目標とすべき姿)となり得る。また、同国の経験は、民主主義と開発の関係についても我々に多くの示唆を与えてくれる。日本は、インドネシアの民主化を称賛し、民主化したインドネシアと協力して、民主主義の経験と成果をこの地域で広く共有していきたい。それは、多様性に富んだアジアにおいて相互理解を一層深める契機ともなる。
(3)開かれた中国
アジア最大の人口を抱え、目覚ましい経済成長を遂げている中国は、アジア、世界に開かれる形で経済と社会を変化させてきた。日中両国は、2008年の「日中共同声明」にある通り、「国際社会がともに認める基本的かつ普遍的価値の一層の理解と追求のために緊密に協力する」ことを約した。中国が、引き続き、責任ある大国として、民主主義や人権といった分野においても前進を図っていくことが期待される。
(4)ミャンマー
ミャンマーでは、民主化に向けた動きが少しずつ見られる。明年の総選挙にすべての関係者が参加できるように民主化プロセスが進展し、国際社会にも祝福されるものとなるよう、日本は、ミャンマー政府に押しつける形ではなく、その前向きな努力を慫慂していく。こうした期待は、この場の出席者の方々にも共有されているものと信じる。
(5)北朝鮮
北東アジアをめぐる情勢には依然として不信と対立の構造が残っており、残念。北朝鮮も、アジアや世界の潮流に加わることを呼びかけたい。アジアの平和と安定にとって重要な六者会合を通じて、朝鮮半島の非核化を実現することが必要。また、日朝間においては、特に拉致問題の解決と過去の清算が必要。そして、北東アジアに平和の枠組みが構築されていく過程で、北朝鮮が、国際社会に開かれた国家となることを期待。

4.日本の支援

(1)ASEAN憲章への評価
民主主義、人権などの普遍的価値の重要性を規定したASEAN憲章を高く評価。同憲章に基づいて設立される人権に関するASEAN政府間委員会が、地域全体の人権や民主主義の取組をリードしていくことを期待。
(2)多様性の中の民主化努力への支援
他方で、政治体制、経済発展段階、宗教、文化、伝統など、アジア各国が置かれた状況は多様であり、民主化のプロセスやスピードは自ずと異なり、紆余曲折もあり得る。
重要なことは、民主主義に終着点はなく、常に前進するということ。日本の政権交代も、民主主義の前進の一つの形。互いの違いを認め、互いに助け合いながら開かれた形で協力を前進させていくことが重要。日本は、民主化への各国の自発的取組を支援。私の提唱する東アジア共同体構想も、このように前進していく先に見えてくるもの。
(3)日本の取組と支援
日本はこれまで、民主主義の基礎となる開発への支援から、民主化そのものへの支援まで、積極的に協力してきた。
東南アジア諸国を中心とするアジア諸国への支援、そして中国の改革開放への支援を行い、更には1997年のアジア通貨危機や昨年の金融・経済危機の際にも、日本としての最大限の貢献をいち早く行った。また、先月には東京でメコン首脳会議を開催するなど、ASEANの統合努力や地域協力も支援している。
そうした協力の中で、日本は、人材育成、法制度整備、メディア育成、選挙監視といった、民主化のための具体的な協力を積み重ねてきた。アジア諸国における市民社会の成熟と、良き統治の促進に向けた努力を、日本は全力で後押ししていく。この観点から、日本は、同じ志を持った国々と力を合わせてBDFを活用し、各国の民主化プロセスを積極的に支援していきたい。その一つとして、BDF参加国が、民主主義を定着・発展させていく上でのグッド・プラクティスを共有するため、相互に選挙を視察し合うプロジェクトの実施を提案したい。平和民主主義研究所には中心的役割を果たして頂きたく、日本としても協力したい。

5.結語 

開発や経済発展なくして民主主義は発展せず、また、民主主義の発展なくして、個人の幸福や国家の繁栄も十分なものとなり得ない。
まさに民主主義に終着点はなく、粘り強い取組を継続する必要がある。
日本はこのフォーラムの成功と継続にコミットし、この場にいる各国と力を合わせてこのフォーラムの発展に汗を流したい。
(了)

http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200912/10bali.html

 

鳩山総理によるアジア政策講演アジアへの新しいコミットメント
-東アジア共同体構想の実現に向けて-(仮訳)

 

 

1. 挨拶

テオ・チーヒン副首相兼国防相閣下、
バレー・デスカ ラジャラトナム国際関係大学院(RSIS)所長、
御来席の皆様、

 つい先ほど、リー・シェンロン首相閣下が見事に議長を務められたAPEC首脳会合が終わり、こちらに駆けつけました。皆様方の前で日本の新政権のアジア政策についてスピーチできることを大変光栄に存じます。特に、テオ副首相兼国防相閣下には、本日のモデレーターという役目をお引き受けいただき、感謝に耐えません。


2. アジアと日本

 今日、アジアの重要性に疑いはありません。
 世界で多極化が進む現在、経済力に着目すれば、2008年時点でASEAN+6は世界のGDPの約23%、APECでは52%以上を占め、これらの数字は今後もさらに増加する傾向にあります。
 アジアでは、実体経済のレベルで域内統合が進んでいることは皆さんも御承知のとおりです。同時に、アジアは世界に対してオープンであることによって繁栄している、ということも興味深い事実です。また、ASEAN諸国や中国、韓国などが、経済発展に呼応する形で、地域や国際社会のための建設的役割を果たし始めていることは、私たちを勇気づけてくれます。
 もちろん、発展するアジアにも、課題がないわけではありません。その点、アジアにおける米国のプレゼンスは、我が国を含めたアジアの平和と繁栄に重要な役割を果たしてきており、今後も果たすことでしょう。我が国が日米同盟を引き続き、日本外交の基軸と位置付ける最大の理由の一つは、そこにあります。オバマ大統領と私は、同盟を一層深化させることでも一致しました。また、昨日、オバマ大統領は、東京で演説を行い、アジアに対する米国の関与姿勢を再確認されました。皆さんと共に、私はそれを歓迎したいと思います。

 日本はアジアの中でとてもユニークな国です。アジアで最も早く近代化を成し遂げ、優れた技術力と成熟した経済を持っています。日本社会には、勤勉さやチームワークなど、誇るべきクォリティーがあることも、リー・クアンユー顧問相閣下が回顧録に書かれているとおりです。また、長い議会民主主義の伝統を持つ日本ですが、つい2か月ほど前には国民が政権交代を選択し、民主主義の歴史に新たな1ページを開いたことは、皆さんも御存知のとおりでしょう。
 日本のユニークさは、それだけではありません。アジアの多くの国々よりも一足先に「成長の先にある課題」に直面しています。少子高齢化、都市化と過疎化の同時進行、などがその例ですが、我々は試行錯誤の末、このような課題に対処するための知識や経験を蓄積してきました。
 重要なことは、ほとんどすべての国が、こうした課題にやがて行きあたる、ということです。日本がこれまで蓄積してきた知見は、地域の国々が「成長の先にある課題」に取り組む際に、公共財的に使ってもらうことができます。
 一足先に苦労する、ということも、日本の力になるようです。
 だからこそ、私は信じます、この日本が他のアジアの国々と協力すれば、できないことはない、と。


3. 東アジア共同体構想の推進

 日本の新政府は、アジア外交の重視を宣言します。
 そして、その柱になるのが「東アジア共同体構想」です。

 私の東アジア共同体構想の思想的源流をたどれば、私自身が大切にしている「友愛(yu-ai)」思想に行き着きます。「友愛」は「博愛(fraternity)」と訳されることもありますが、自分の自由と自分の人格の尊厳を尊重すると同時に、他人の自由と他人の人格の尊厳をも尊重する考え方のことです。「自立と共生」の思想と言ってもよいでしょう。
 私は政治家になって以来、「日本と他のアジア諸国、より広くはアジア・太平洋諸国相互の間に、友愛の絆をつくりあげることはできないものか」と考えてきました。と言うのも、この地域では、ほかならぬ日本が、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた後、60年以上がたった今もなお、真の和解が達成されたとは必ずしも考えられていないからです。
 目を欧州に転じれば、悲惨な二度の大戦を経て、それまで憎みあっていた独仏両国は、石炭や鉄鋼の共同管理をはじめとした協力を積み重ねました。さらに国民相互間の交流を深めた結果、事実上の不戦共同体が成立したのです。独仏を中心にした動きは紆余曲折を経ながらその後も続き、今日のEUへと連なりました。この欧州での和解と協力の経験こそが、私の構想の原型になっています。
 すなわち、私の東アジア共同体構想は、「開かれた地域協力」の原則に基づきながら、関係国が様々な分野で協力を進めることにより、この地域に機能的な共同体の網を幾重にも張りめぐらせよう、という考え方です。後で述べるように、貿易、投資、金融、教育など、広範な分野で協力を具体的に進めることを、何よりも重視します。
 協力の過程で我々は、みんなでルールを決め、みんなで協働し、みんなで知恵を出し合い、みんなでルールを守るようになります。その結果、現実の利益が得られるだけでなく、相互信頼の感情が育まれることも期待されます。

 ここで私の考える協力の例をあげれば、以下のようなものがあります。


 第一は、共に繁栄するための協力です。
 欧州の例をみても、ASEANの例をみても、経済関係の進展は、原則的には協力を惹起します。そして、この地域の経済連携を共通のルールに則って促進する有力な手段が、EPA/FTAです。
 日本は現在、東南アジア地域の7カ国およびASEAN全体との間など、10カ国1地域との間でEPAを締結しています。しかし、これでは「日本を開く」と言うには不十分です。今後は韓国、インド、豪州との間でEPA交渉を加速するほか、それ以外の国とのEPA交渉の可能性も追求していきます。また、 ASEAN+6による「CEPEA」やAPECの「FTAAP」の議論には積極的に参加します。

 第二は、緑のアジアを守るための協力です。
 この地球上に気候変動の脅威から逃れられる国はありません。
 日本は、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意を前提として、2020年までに温室効果ガスを1990年比で言えば25%削減するという目標を掲げています。我々の子孫のためにも、現在交渉中のCOP15は、是非とも成功させなければなりません。
 従来型の成長は皆さんを幸せにしないし、持続不可能であることを、我々は知っています。日本も高度成長期には、ひどい大気汚染や環境破壊を経験しました。現にアジアの各地で、河川が汚れ、マングローブの林が失われています。
 私は心から願います。途上国の皆さんが、気候変動問題で「共通だが差異のある責任」の下、温室効果ガスの削減を掲げる一方、日本企業の持つ、すぐれた省エネ技術、スマートグリッド・システム、水浄化技術などを活用することにより、「持続可能な成長」を実現してもらいたい、と。

 第三は、いのちを守るための協力です。
 アジアで自然災害によって亡くなった方の数は、2007年までの30年間で130万人を超えます。SARS、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザなどの感染症も、国境を越えて猛威を振るいます。この地域では、自然災害や感染症は戦争を上回る、人間の安全保障上の課題である、と言っても過言ではありません。
 阪神・淡路、スマトラ、ジャワなどの大地震、繰り返し来襲するモンスーンや台風の被害――、大規模災害が起こるたびに、我々は、助け、助けられてきました。NGOやボランティアの人たちの献身する姿も、私の瞼に焼き付いています。我々はもっともっと、助け合おうではありませんか?
 各国の政府機関などに援助のための人的・物的アセットを事前登録してもらい、災害発生時に円滑に救助活動ができるようにするなど、防災のための新たな枠組み作りに向けて、日本は積極的に貢献していきます。
 衛生面では、日本は来年、自衛艦を『友愛ボート』と名付けて民間人やNGOの人たちも乗せ、太平洋・東南アジア地域で医療活動や文化交流などを行います。これは米国が2007年から行っている「パシフィック・パートナーシップ」への参加となります。米国、豪州、インドネシアなどと共に働き、現地の人々の役に立てることを期待しています。

 第四は、「友愛の海」をつくるための協力です。
 この地域は様々な海でつながり、交易の相当部分も海を通じて行われます。この海を「友愛の海」にすることは、地域全体に平和と繁栄をもたらすことにほかなりません。多国間の共同作業という前提で言うなら、周囲を海で囲まれた海国・日本には、海の平和を守るためのノウハウとアセットがあります。
 例えば、我々は海賊対策でもっと協力することができます。マラッカ海峡を含む東南アジアで実施されている域内の協力は多くの国にとってモデルとなっており、これを他の地域に拡大してはどうでしょう。また、ソマリア沖では、日・米・中・韓・豪・印・マレーシア・シンガポールなど、多くのアジア太平洋諸国が海賊対処活動に従事しています。この方面でも、我々はもっと連携できるはずです。
 東アジア地域では、海の事故防止や緊張緩和を進めるための共通の取り組みがまだまだ遅れています。海難事故の際の捜索救助協定を締結するなど、各国間で具体的な協力を進めることが大切です。
 我々にできる協力の分野は、これらにとどまりません。核軍縮・核不拡散、文化交流、社会保障、都市問題もあるでしょう。将来的には、政治的な協力について話し合うこともありえます。
 また、ある分野で協力する意志と能力を持つ国々が先行して参加し、その協力が成果をあげるに従ってメンバーが増える、といったケースも考えられます。
 いかがでしょうか、皆さん? 本日、私の説明を聞いてなお、「鳩山構想の中では、誰が共同体のメンバーになるのか」と質問されますか?
 私の答は--、理想と夢を共にする人々--です。


4. 結語

 最後に、私が「東アジア共同体構想を前進させる際に最も大事な鍵になる」と思っていることに触れておきたいと思います。それは「人」です。
 日本製品がアジア諸国で普及しても、日本でアジア諸国からの輸入が増えても、それだけで相互理解が実現することはありません。「人と人との触れ合い」を通じてはじめて、我々は真にわかりあえます。その技術、道具を互いに学びあうことも大切です。こうして我々は、様々な協力を始めることができるのです。
 この地域における人の交流を増やすため、日本にはやるべきことがたくさんあります。ほんの一例を言えば、日本政府は、一昨年以来行っている、アジア各国から毎年6千人の人材を招聘する事業を将来も継続していきます。域内の大学間の単位の互換の拡大や成績評価の共通化のための取組みも、必ず実現させます。
 この地域では、ASEAN+6で32億人強、APECで27億の人々が生活しています。そのエネルギーたるや、凄まじいものです。この地域に住む様々な人々が国境の垣根を越えて交われば、思いもよらない新たな活力と知恵が、生まれてくるに違いありません。
 本日、グローバルに開かれている社会がいかにダイナミックに発展するか、その最たる成功例であるシンガポールの地にあって、私はAPECの「開かれた地域主義」に無限の可能性を感じ取っています。
 この地域のいろいろな人に、いろいろな立場で協力を深めてもらいたい。どんな共同体が望ましいのか、大いに議論してもらいたい。明日のアジアを一緒につくってもらいたい。そう思っています。


 日本は来年、APEC議長を務めます。
 皆さん、この機会をとらえて、どうか日本に来てください。
 日本には、雪があります。温泉があります。
 暖かい心を持った人々が皆さんを待っています。
 また来年、お会いしましょう。

http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200911/15singapore.html