韓国与党の知事辞任 「進歩系」とされる人物の性暴力などで告発続く 人権重視のイメージ揺らぐ

                     ５日、自身の疑惑報道に先立ち、韓国・忠清南道での演説でセクハラ被害告発の潮流を称賛する安煕正知事（忠清南道提供・聯合＝共同）

韓国与党「共に民主党」に所属する安煕正・忠清南道知事の女性秘書が性暴力を受けたと訴えた問題で、安氏は６日、知事を辞任した。国内では安氏ら「進歩系」とされる人物による性暴力などの告発が続き、人権重視のイメージが揺らいでいる。

　女性家族省は６日、安氏の問題を巡り、上下関係を利用し性関係を迫った「権力型性暴力」として徹底調査すると発表。鄭鉉栢女性家族相は「捜査・司法機関の徹底した捜査と、厳重な処罰が要求される」と強調した。　韓国ではこれまで安氏のほか、ノーベル文学賞候補の詩人、高銀氏や演出家のイ・ユンテク氏ら、進歩系に分類され文在寅政権の理念に近い著名人が、相次いで過去のセクハラ行為などを告発されている。

　文政権下で、朴槿恵前大統領の事件など多数の不祥事を追及されてきた保守陣営は反転攻勢。最大野党「自由韓国党」の報道官は「自分だけが高潔であるかのように道徳を振りかざしてきた進歩系の二重性」が暴かれたと非難し、問題を追及する構えを示している。（共同）

                                                                                         アン・ヒジョン氏（ロイター）

                                                  ５日、ＪＴＢＣテレビで韓国・忠清南道の安煕正知事から性暴力を受けたと訴える女性（聯合＝共同）