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韓国前大統領に疑惑迫る 政治資金疑惑事件 본문
【ソウル=黒田勝弘】韓国検察当局が進めている前政権の政治資金疑惑捜査が盧武鉉前大統領自身に迫る勢いを見せ、世論の関心を集めている。事件は盧前大統領と同郷の企業会長による政官界に対するワイロがらみの工作疑惑。最新の検察捜査で盧氏の親戚(しんせき)に500万ドル(約4億9500万円)もの巨額資金が流れていたことが明らかになり、その資金の意図と行方が焦点になっている。
問題の企業人はスポーツシューズ製造で知られる朴淵次・泰光実業会長で、故郷の釜山・慶尚南道地域を背景に同郷の盧武鉉前大統領一家に対し以前から“スポンサー”の役割をしてきた人物とされる。
朴会長はすでに脱税容疑で逮捕され、朴会長と親しかった盧氏の実兄、盧建平氏も収賄容疑で逮捕されてた。今回の500万ドルは盧大統領の退任直前、朴会長から盧建平氏の娘婿(30代の実業家)に投資の名目で提供されたというが、何らかの代価を狙った不正政治資金ではなかったかとする疑惑が持ち上がっている。
今回の事件では盧前大統領の側近だった現職国会議員の李光宰・民主党議員や当時の大統領秘書官をはじめ、前政権の多くの要人や大統領の親戚たちが政治資金疑惑などで相次いで調べられ逮捕されている。
朴会長はこれまで各界に“資金”をばらまいてきた太っ腹な人物として知られる。このため検察・警察・国税関係はもちろん、現在の李明博政権や与党関係者の名前も疑惑リストに上がっているという。
その結果、すでに現政権の秋富吉・前大統領秘書官が「税務調査への手心要請」の代価としてワイロを受け取った容疑で逮捕され、与党ハンナラ党の有力議員も調べられている。
韓国では歴代政権下で大統領やその家族、側近など権力に群がって利益を得ようとするワイロ事件が横行してきた。
しかし左派・革新系の盧武鉉政権は「われわれは清潔だ」と主張し「無能であっても不正・腐敗はない」「金銭疑惑はありえない」と言い続けてきたが、実態は過去の政権と大差がなかったことになる。
盧武鉉前大統領は釜山近郊の金海市の自邸にこもったまま事件には口をつぐんでいる。盧前大統領自身にまで疑惑捜査が及ぶかどうか注目されているが、今のところ書面などによる調べはあっても、検察に呼ばれたり逮捕されるようなことはないだろうとの見方が政界などでは一般的だ。
一方、李明博政権は自分たちの方にも捜査の手が伸びはじめているため、捜査の行方に戦々恐々だ。「前大統領逮捕」という事態は「政治報復」とみられかねないため「現政権にとっても負担になる」(大統領側近)という声も聞かれる。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090401/kor0904011944004-n1.htm
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