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韓国総選挙 次期大統領選に向け始動 圧勝の李洛淵前首相 知日派に期待の半面、党内に強い対日強硬論 본문
韓国総選挙で当選した与党「共に民主党」の李洛淵前首相。右は夫人=15日、ソウル(聯合=共同)
左派系与党が圧勝した韓国総選挙で、最も注目されたのが「次期大統領選挙の前哨戦」と称されたソウル中心部、鍾路(チョンノ)選挙区での前、元首相の戦いだ。結局、「共に民主党」から出馬した李洛淵(イ・ナギョン)前首相が「未来統合党」の代表、黄教安(ファン・ギョアン)元首相に圧勝し、李氏は2年後の大統領選に向け強い存在感を示した。
李氏は1952年、韓国南西部の全羅南道霊光(ヨングァン)出身。ソウル大学法学部を卒業し、79年に東亜日報に入社。政治部、外信部などを経て、90~94年に東京で特派員を経験しており、日本語が堪能だ。
金大中(キム・デジュン)政権下の2000年に与党・新千年民主党から国会議員選挙に出馬し、初当選。同党では報道官や院内代表を務め、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が当選した際には、盧氏の報道官も任された。韓日議員連盟の副会長兼幹事長を務めた韓国政界屈指の知日派だ。
本格的な転機が訪れたのは、17年5月。文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領選挙で当選、就任した直後に、当時、故郷の全羅南道の知事であった李氏を首相に指名したのだ。本人も口にしていたが、まさにサプライズ人事だった。前任の首相(大統領代行は)くしくも黄氏だった。
首相就任後は文氏の代理として、安倍晋三首相と複数回、会談した。昨年10月には天皇陛下の「即位礼正殿の儀」の際に訪日した。
今回の当選で、李氏は国会議員5期目となる。各種世論調査では次期大統領選挙の最有力候補にあげられており、保守系の対抗馬と目されていた黄氏は選挙での敗北の責任をとり、党代表からの辞任を表明した。
次期大統領のめぼしい候補は保守系からは消え、現時点では李氏独走の状態だ。今後2年近くは、巨大与党下の安定した環境の中で、大統領選に向けた準備を進めるものとみられている。
知日派である李氏に対し、日韓関係改善への期待は高い。だが、李氏が首相在任中に安倍首相との会談や、いわゆる元徴用工の問題で日本企業に賠償を命じた18年10月の韓国最高裁判決を受けた事後対策などに努めたにもかかわらず、日韓関係は悪化の一途をたどっている。
李氏は日本と日本人について熟知し、理解しているのだが、問題は文政権や与党はそうではないことだ。このため、日本がからむ問題が浮上するたびに、政権や与党を説得する役割が李氏に回ってくることがあり得る。
左派の与党内部では慰安婦問題をめぐる日韓合意の破棄や、徴用工訴訟での韓国最高裁判決を支持する主張が圧倒的だ。こうした対日強硬論が圧倒的な与党で、むしろ、大勢の反日論に押される可能性も十分あり得る。
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