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「尖閣警備も見直し契機に」…北朝鮮工作船沈没事件の船長が語る
CIA Bear 허관(許灌) 2013. 4. 1. 11:52
平成13年の奄美大島沖の北朝鮮工作船沈没事件で、100発以上の銃撃を受けた第10管区海上保安本部(鹿児島)の巡視船「あまみ」の元船長、久留主(くるす)眞佐夫さん(64)が産経新聞の取材に応じた。
日本の領海警備の在り方が見直される契機となった事件から11年余り。「(北朝鮮工作船沈没事件前は)必要ないと考えられていた装備は今は常識になった。あの経験が生かされている」。再び領海が脅かされている中、教訓を語った。
昨年9月に尖閣諸島が国有化されて以降、中国公船の航行は常態化。これに対し、巡視船は並走し、繰り返し領海内から退去するように警告を発する。久留主さんは「日本の領土である尖閣。相手の挑発に乗らず、海保の姿勢を貫くことが重要だ。長期巡回にも慣れており、普段通りの警備に徹してほしい」と話す。
沈没事件の現場では、あまみは4隻態勢で対応した。きりしまと2隻で挟み込んで、停船させようとした際、銃撃を受けた。自動小銃やロケットランチャー…。銃撃は1分間に及び、部下3人が負傷。「けが人は確かに残念だが、ボロボロになった船を見ると死者が出なかったのが幸いだったと感じた。援護してくれた仲間の巡視船のおかげ」と振り返る。
この事件以降、海保の領海警備体制は大きく見直された。巡視船艇は防弾化され、荒波や遠距離からでも相手船を捉えることができる高性能機関砲の搭載も加速。速力30ノットを超える高速の大型巡視船の整備も進んだ。
何より…。世間の目が海保に好意的になった。飛び交う銃弾の中、部下は自らの判断で船橋後部に出て銃撃の様子を撮影し続けたという。「映像があったからこそ実態を国民に示すことができ、世論の目を変えられた」。そのことを久留主さんは確信している。
昨年、香港活動家らに尖閣諸島・魚釣島に上陸された際には、海保に批判もあった。ただ、久留主さんはこう言い切る。
「尖閣の警備も一つの見直しの契機になるのかもしれない。領海を守るという海上保安官の使命を胸に、未来を開くと信じ(後輩たちには)任務にあたってほしい」
北朝鮮工作船から銃撃を受けた巡視船「あまみ」の元船長、久留主眞佐夫氏(森本充撮影)
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